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琴時雨

2008年12月28日 03:59

夢の浮橋の音楽配信が始まってますね。コチラ

始まってすぐにダウンロードしてききまくっているわけですが
(そして密かにCD・DVDのカットに涙しているわけですが)
遠征後に書いていた記事をそろそろうpしようかなと。

この歌を聴いていてもですけど
夢の浮橋のことを考えると薫君の救われなさ加減に引っ張られて
気分がどん底に落ちて困ります。
元々救いがない物語なんでね。
大野作品ならではの救いであるフィナーレもないもんだからもう。
おかげでショーのハードル下がってると思うよ☆

で、書いても書いても気分が落ち込んで(笑)なかなかまとまらなかったのですが
年末だってのにオット君がゴルフで暇なのでやっとこうかなと。

あ、そうそうそうそう壮一帆。
年明けはですね、私実は又もちょっと旅に出ることになってしまいまして
その準備やら何やらでばたばたしてます。
カラマーゾフの初日を観てから旅立ちます。

戻ってきたらまたどっぷりとこの世界に嵌っていきたいと思っているんですが
かえって記事に書く暇がないかもしれませんね。

とにかく初見は霧矢さんの今までの歴史にきっとなかったであろう
非常に屈折した役でびっくらこきました。

想定外過ぎて初見では全然薫の人間像についていけなかった。

( ゚д゚)ポカーン ←正にこんな状態。

口空いてた。
なんだこいつ???と頭の上に?が飛んでた。

しかしやっと心情を明かし
仲睦まじい浮舟と匂宮の傍に
ただうなだれてつったっていることしかできない薫の姿は
泣きじゃくる子供のようで愛しかった。

抱きしめてあげたい。・゚・(ノД`)・゚・。(迷惑)

二度目にやっと前半の薫が片足あの世につっこんでるのに気づいた。

こんなに心を閉じている人間を演じる霧矢さんを見るのは
切なくて苦しくてつらい。

やっぱり陽の魅力を持って心底ポジティブなのが似合ってると思うんで
柄違いだとも思うし。

けども。

その圧倒的な説得力に恐れおののく。

音楽配信されて曲名がわかった『血戯』が正に難物。
この短い間にどんだけのこと表現させるのよ!?とも
こんな長い間一人でもっていかせるのかよ!?とも
どちらともとれる時間です。6分て!

ま、この話は後ほど。

しかし大野君は霧矢さんに対し『更に狂はじ』に続き
身を裂くような喪失を味わわせるのがお好きですね。
このどSめ!!!

ということで(どういうことで?)
夢の浮橋語りを始めたいと思います。
霧矢ファンなので薫中心でね。
全て私にはこう見えたっていう…
…言っとくけど
A-"R"ex方面の嵌り方をしているのでつまんないと思うよ。

ちょっと気持ち悪いっつーか…病気?

えへ☆(ごまかしてもだめ)

夢の浮橋シリーズ
笹舟
流雛 ながしびな
泥濘 ぬかるみ
血戯
形代 かたしろ
夢の浮橋(大劇場バージョン)
---------
雲隠
幼少の薫と匂宮、匂宮の姉である女一の宮が最後に光る君、六条院に会ったのは
紫の上様の御仏名(法事の一種)の時だった。

紫の上の死にとうとう心を損なって狂ってしまっていた六条院。
女一の宮を幼い頃の紫の上と見間違うほどに。

大切な数珠をとり落とす六条院に思わず声をかける匂宮。
それに六条院は「一緒に来るか?」と声をかける。

六条院が向かうのは自らが棺と決めた宮中。
紫の上を弔うために自らと自らが引き起こした罪咎(つみとが)を葬りに行くと彼は言う。
紫の上を愛するあまり、出家を許さず苦しめた。その罪。
愛する人を裏切って他の人を愛したという罪。

おじい様に声をかけられた匂宮は嬉しくて「はい」と答える。
それを見てはじかれたように走り出る薫。
「私の父上だぞ!」と、数珠を拾い六条院に差し出す。
それは単に匂宮への子供らしい対抗心でのことだったかもしれない。

しかし数珠と共に薫はとらえられてしまう。
もはや心を亡くし傀儡(くぐつ=人形)のようになってしまった恐ろしい六条院に。
「薫…罪の子よ」
院はもう薫を離しはしない。薫はもはや逃れることはできない。
薫の罪も、薫自身も道連れに階を上り去ってしまう。
棺の中へ。

「薫!」

匂宮がいくら呼んでも返事は帰ってこなかった。


この翌年六条院は亡くなる。
この日から人を愛することは恐ろしい罪として3人の胸に刻まれる。
罪を知らなったあの頃の思い出。

薫が、自らが生まれながらに罪を背負っていたと感づいたのはこの時かもしれない。


女一の宮が語り部として物語を語っていく。
が、これは匂宮の心象風景だと思う。

今の薫を思うとなぜかこの時のことが思い出されてならない。
死にゆく人に魅入られたこの時のことが。

かつて薫には想い人がいた。
大君といって、宇治に住まっていた人だった。
しかし恋は成就することなく、彼は彼女を失った。
まるで紫の上様を失ったおじい様のように。

そんな薫を見ていると あの時のことを思い出さずにはいられないのだ。



時雨琴
燃えるような晩秋の宇治で愛する人を想って歌う薫。
泣いているような。すすり泣きが聞こえそうな切ない歌。

   今もあの人の弾く琴の音がとどまることなく聞こえている。
   あの人を失ったあの日。
   時雨の音が聞こえていた。
   いや、あの人の琴の音だったのではないだろうか。

いつのまにか過ぎ去った時が、あの人を奪ってしまったというのに。
彼の時間はその日から凍りつき止まったまま。もはや流れることはない。

   今も雨が降っている。
   雨の音だろうか?
   いや、あの人の琴の音だ。
   今も聞こえている。
   あの人は去ったというのに。
   今も。

彼は夢幻の世界に生きている。
深い後悔と失ったものへの狂おしいほどの想い。
手にすることができなかったものへの妄執に囚われている。

かつての六条院とは違い、薫と大君とは愛し合うことはなかった。ただの片恋の相手。
そして彼は自分の身支度もできないほどに壊れた六条院とは違い
表面上は一分の隙もない完璧な公達を演じる理性が残っている。
だから一層彼の狂いっぷりが恐ろしい。
自ら進んで狂気の世界に足を踏み入れている気さえする。

そして傍らには
あの人にそっくりな女。

女が単衣姿で出てきたのだ。情を通じた後なのだろうと思う。
にもかかわらず、想うのは死んでしまった人のこと。
あれほどたっぷりと恋慕を込めて歌うのが
目の前の浮舟じゃなく大君のことであるのが心底不気味で悲しい。

彼女は琴が弾けないという。
そんな筈はない。
彼女はあの人と血がつながっているのだから。
きっと同じように弾けるようになるはず。
優しいけれど決して抗うことを許さない口調で諭す。
そっと掛けてやる袿も大君のものだ。
禍々しい行為。

   そう、この邸にはいつも琴の音が響いていなければ。
   いや、今も響いている。胸をしめつける音が。

狂っている彼には彼女の戸惑いも、恐れも、哀しみも見えない。感じられない。
彼が見ているのは大君だから。

   彼女は彼のことを愛したいのに。

彼が愛しているのは大君の亡霊。
彼の作り上げた完璧な偶像。
浮舟を大君の身代わりの人形のように扱っているだけでなく
薫自身が、傀儡のごとき、心なき存在でしかないのだ。

そして
彼が生きているのは繰り返す喪失の世界。

毎日大君を失って
毎日傷ついている。
毎日のように血が噴き出す。
あの錦の山のように赤い血が。

そしてその傷は 匂宮にだけは 決して。
見せたくはないのだと思う。

もちろん浮舟のことも知られてはならない。

彼もまた罪を知るひとりなのだから。


笹舟


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